
「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸―」レビュー。レーベル:電撃文庫 作者:入間人間
<あらすじ>
御園マユ。僕のクラスメイトで、聡明で、とても美人さんで、すごく大切なひと。
彼女は今、僕の隣にちょこんと座り、無邪気に笑っている。
リビングで、マユと一緒に見ているテレビでは、平穏な我が街で起こった誘拐事件の概要が流れていた。誘拐は、ある意味殺人より性悪な犯罪だ。殺人は本人が死んで終了だけど、誘拐は、解放されてから続いてしまう。ズレた人生を、続けなければいけない。修正不可能なのに。理解出来なくなった、人の普通ってやつに隷属しながら。
──あ、そういえば。
時間があれば、今度質問してみよう。
まーちゃん、キミは何で、あの子達を誘拐したんですか。って。
<感想>
これは相当キテる。電撃選考会で物議をかもした、とあるけどまさに…といった感じ。これをライトノベルで出版?って感じでしょうか。
とにかく前半からやばさ全開で、キャラ設定からして相当具合が悪い。上のあらすじを読んでもらえればわかると思うんだけお、とにかくキャラの精神状態が尋常ではありません。子供向けのライトノベルではありえないレベルの鬱屈さを表現してる作品になっています。
登場キャラのPTSD(心的外傷後ストレス)が元になって引き起こされたで(あろう)事件を描いていますが、十代のキャラが誘拐、監禁する(それも主人公とヒロインが)なんて今までのライトノベルであったのでしょうか?「いつも感想中」さんの記事でも書かれているように、R―18指定にしても差し支えがないのでは。
ただ、読んでいて自然と作品内に引き込まれるのは意外というか。ですが、どうして引き込まれるかすら読んでいて判然としません。先がどうなるか知りたくなるようなストーリーというわけでもないし(むしろ鬱屈さから脱出したくなる)。正直言って面白いのか面白くないのかすらよくわからず。とはいえ読み応えはある。
最後の部分も最初読んだときは??でしたが、二度読んでようやく理解。終幕はあっけないですが、「なぜ誘拐したのか?」の謎もわからないままになっているのは、作者の読者に対する訴えかけなのか、それとも単に作者自身もわかっていないのか。一度作者にお伺いしたいところですな。
「ひぐらしのなく頃に」という作品も物議を醸すことが多いですが、そう言う意味で言うと「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」は「ひぐらし」の比ではないでしょう。あちらも一見するところ問題作ではありますが、その中身は友情を描いたヒューマンドラマに仕上がっているわけで。ですが、こちらはとてもじゃないですがお世辞にもヒューマンドラマとは言い難い。
でも、「ただの問題作」で終わらせていいのか、という気もします。引き込まれる部分は確かにあったわけですし、これほど考えさせる話もなかなかお目にかかれません。読みながらずっといろんなことを考えてました。そういう意図もあってかどうかはわかりませんが、電撃文庫が刊行したのにも何かしらの理由があるんでしょうし。多くの人に読んでもらって、感想を聞いてみたい、そんな作品でした。
<評価>
評価不能。言いたいことはたくさんありますが、とにかくいろんな人に読んで、感じてもらいたい。ただ、間違いなく言えるのはアニメ化、ドラマ化は無理でしょう。ただの殺人ならいざ知らず、誘拐、拉致監禁というのが非常にたちが悪い。
ライトノベル作品別ランキング表へ
壁紙もおいておきます

この記事のトラックバックURL
http://esutaaku7787.blog39.fc2.com/tb.php/93-20d8126b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
電撃文庫
著作名:嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸
著者名:入間人間(いりま ひとま)
イラストレーター:左(ひだ...
2008/07/08(火) 23:47:45 | ライトノベル読もうぜ!





